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國體シリーズ 第弐作品

 

 

            『注釈 臣民の道』(仮題)

 

 『臣民の道』は、『國體の本義』と並び称される戦前の文部省教学局編纂の図書です。いわば、国民道徳の指標としての政府の公式見解と言ってよいかと思います。『臣民の道』は、『國體の本義』と同じようにGHQ(General Headquarters)のWGIP(War Guilt Information Program)により日本無力化政策に対する危険図書とされ、教育現場から存在を消し去られました。ここに、拙著『対訳 國體の本義』の姉妹編として、本書を「戦前と現在を繋ぎ止める」役割で、著すことができ非常に嬉しく思います。


 本書は、その基礎知識として『國體の本義』を読了していることを前提としています。本書を手に取る前に『國體の本義』を読むことを強くお奨め致します。なぜなら、『臣民の道』もまた國體に基づいて論理が展開されており、國體について直接論じた『國體の本義』を先に読む方が、理解が早いと思うからです。


 『臣民の道』は、昭和一六年七月二一日発行であり、同年十一月二十七日、日本は米国から最後通告であるハル・ノートを突きつけられ、同年十二月八日、真珠湾攻撃(ハワイ海戦)により自存自衛のため米英との開戦に至りました。『臣民の道』は、開戦前夜の日本の状況を如実に現わしています。


  『臣民の道』に記述されている当時の日本の外交方針や、それに伴った国民道徳のあり方は、いかようにも論じられますが、まずは、国家存亡の危機に直面した我が国の政府公式見解を虚心坦懐に読むことが肝要かと思います。


 巻末資料「第一章 大東亜戦争はどうして起こったか」は、大東亜戦争開戦に至るまでの真実を簡潔に説明したものです。それは、当然『臣民の道』の内容とも一致します。


 私は、これからも「戦前と現在を繋ぎ止める」ための本を著わします。特に、詔(みことのり)、御製、典憲、国史、帝国政府文書、並びに帝国軍人の行動や言葉については、詳細に触れたいと思っています。元より私は歴史や国文学の専門家ではありません。ただ、誰かがしなければならない仕事だと思っています。


 最後に、『國體の本義』『臣民の道』は、これを漫然と読めば、それだけの存在になります。もし我々が、当時の国家存亡の危機にあるとき国民として生きたならば、どう判断し、どう行動をするかに思いを致し、翻って、現在何を成すべきかに思いを致してこそ「戦前と現在を繋ぎ止める」ことになると思います。我々一人一人が國體を学ぶ意義は、そこにあると思うのです。


                                           蹇蹇匪躬

 

                                           平成○年○月○日
                                               前田卿壱

『注釈 臣民の道』草稿

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